梅干を漬ける人々~牟田さん親子の場合~

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看護師として夜勤もこなす激務を続けながら、2人のお子さんの子育てをしてきた牟田美恵子さん。現在はお仕事を辞めて、ゆっくりされています。この日は福岡市内にあるご自宅でお話を伺いました。一緒にお話を聞かせてくださった娘の倫子さんはマクロビオティックを学び、保育園の調理の仕事を経て、今度は病院での調理の仕事がスタートするのだとか。

 

 -いつから梅干しを作っているんですか?

 

仕事を辞めてからだから、3年くらい作っています。やっぱり身体にいいかなあと思って。

 

ずっと看護師として病院で働いていたんです。新生児の病棟です。夜勤の時は梅干しを入れたおにぎりを持っていくんですよ。ぱぱっと食べれるでしょ。仕事中はゆっくりできないことも多いからね。だからいつもおにぎり。梅干しも最初は市販のを入れていたんですけど、市販のはべったりして甘いでしょ。やっぱり毎日のように食べるから、おいしいのが食べたいって思うようになったんです。それがあるから今になって作っているのかも。

 

-作り方を教えてください。

 

NHKのテキストを主に参考にしています。塩分は15パーセント。本を見ると、だいたい15パーセントになってるから。藤巻あつこさんの本をよく参考にしてますね。母はたまには漬けてたので、時々は母に作り方を聞いたりもしながら、自分なりにやってます。

 

梅は近くの八百屋さんで買ってます。やっぱり梅干しには南高梅がいいって言うし、それで南高梅にしています。でも、特にどこ産のとも決めてないし、九州産のじゃないかとは思いますけどね。こだわってないです(笑)ただ、粒が大き過ぎると食べにくいね。お弁当だとちょっと小さいくらいがいいですね。

 

塩はスーパーで売ってる粗塩ですね。これも特には決めず、パッと目に付いたものを買ってる感じです。焼酎も使います。ホワイトリカーです。どこでも売ってる白い紙パックに入って果実酒を作るものですね。これをスプレーのボトルに入れて使います。

 

梅は買ってきて青かったら、デパートの紙袋に入れて、黄色く色づくまで待ってから、始めます。

 

まず1~2時間ほど水に漬けるのはアク抜きのためと、果実と種がはがれやすくするためです。紙タオルで優しく水気を取って、竹串でヘタを取って、それから梅をボウルに入れて、焼酎をまんべんなくスプレーします。それから塩をひとつかみ、梅に振りかけて、全体に行き渡るようにボウルを回しておきます。

 

それから、カメの底に少量の塩を振り入れて、梅を隙間なく並べて、塩を少しずつふりかけ、というのを繰り返します。下のほうに塩がたまりやすいので上に行くに従い、塩を多くしますね。

 

重しは梅の2倍。4~5日たって、梅が漬かるくらい梅酢が上がってきたら、重しを半分くらいに。上がってこない場合は塩が底に残っていることが考えられるので、容器を回しています。

 

それから赤ジソが出回るのを待ってシソ漬けです。赤シソの水切りは袋に入れて洗濯機の脱水モードでやると楽ですよ。塩もみして、アクを絞るのは3回しています。本では2回って書いてあることが多いけど、母は3回だったんです。

 

土用干しは最初の夜だけ梅酢に戻して、その後は出しっぱなしで3日間。4日目に終えてます。干した後、梅酢に戻すかどうかは、半々くらいかな。

 

-どのくらいの量を漬けてますか?

 

今年は10キロくらい漬けたんです。最初は5キロくらい漬けて、その後にもらったりもして。いつもは3キロくらいしか漬けないのに。

 

たくさん漬ける時も3、5、5キロって感じで分けてやってます。一度にたくさんはできないし。3キロか6キロくらいが作りやすいね。

あんまり増えてもシソ(の作業)が大変になってくるし、重しとかも困るしね。自分のうちで食べるくらいなら5キロでいいかなと思う。

 

-失敗はありますか?

 

今年のは熟して黄色くなったところに斑点ができてて、なんでかな。でも食べても大丈夫だった。

 

保存は常温だけど、カビは生えないですね。去年はあんまり色がよくなくて、梅酢に漬けておいたり、浸けなかったり、その時によって色々。でもそんな味は変わんないね。

 

そういえば、昔の梅干しはシューっと小さくなるでしょ。あれもなんでかね。主人のおばあちゃんが漬けていたのは、もう小さく縮んで塩吹いてますよ。昔のは塩分も多いんだろうけどね。

 

-梅干しは毎日食べますか?

 

梅は毎日は食べてないですね。時々ご飯と一緒に食べるくらい。でも、ハタチの姪っ子は食べとうみたいね。おやつみたいにして食べる。

 

主人は梅が嫌いなの。シソだけ食べる。シソをご飯にのせたりして食べてる。でも梅は絶対食べません(笑)小さいのも食べない。お弁当に小さい梅が入ってたりしても、食べない。でも、魚を煮たり、ゴーヤの酢の物を作る時や麺やドレッシングに使うと主人は食べる。

 

シソはたくさん干して、ゆかりにして、姪っ子が好きだから、あげるんです。

うちは食べないから。フードプロセッサーをかけて、それからすり鉢でさらにすってます。そのほうがおいしくなるみたい。香りもいい。

 

-梅干しもおすそ分けしてるんですか?

 

姪っ子や親戚。前にいただいたところに持ってきました。近くのおじいちゃんからもらった梅も梅干しにして返しましたよ。

 

前に、近所で、梅がご自由にどうぞって箱に置いてあったんですよ。それが5キロくらいあったと思うんですよ。それで梅干しにしたんだけど、ホントは返さないかんかなと思うんだけど、誰のだかわからないからあげられなくて。でもいい梅だった。キレイでね。きっとたくさん取れて困ったんだろうね。

 

-梅干し以外にも何か作りますか?

 

それは娘がやってます。ここからは娘に(笑)

 

倫子)そうですね、梅ジュースと梅酒は毎年作りますね。

梅ジュースは梅と氷砂糖を1:1くらいに酢は200cc。普通の米酢で常温に置いて漬けっぱなしです。飲む時は氷を入れます。黒砂糖でも同じような感じで作るんですけど、黒砂糖の場合はちょっと砂糖の割合を減らしたかな。

 

本で見て梅の化粧水も作っています。

青梅にひたひたの日本酒を入れるだけで使えるんです。薄めてグリセリンを入れてみたり。結構肌にいいみたいです。

 

梅酒はホワイトリカーと氷砂糖を入れてます。

 

美恵子)梅酒だったら漬けとけばいいやって作るんだけど、飲まないのよね(笑)作るのは簡単だから作るんだけど。

 

主人も飲まないのね。甘いのは飲まないのよね。

でもなんで作ってたんだか…ああ、たぶん母に言われてたからですね。

 

実家には梅の木があるんですよ。梅の時期になるといつも実がなったからって母が持ってくるんですけど、仕事してて忙しいし、色々作る余裕ないんですよね。

そう言うと母が「梅焼酎にしときなさい」って言うもんだから。氷砂糖も焼酎も買って用意してあるからそれで作る(笑)

 

私は飲まないけど、イヤと言えないから作ってた(笑)

母はすぐ近くに住んでるんです。前は木が3 本くらいあったかな、今はもう1本くらいになってるけど。実がなっても全部は梅干しにできないから。実がなってそのままにしておくと、虫もつくんですよ。梅は枝を切っても切ってもどんどん伸びてくるんです。だから邪魔だし、切っちゃったんだと思う。すみっこにあるのはあんまり邪魔じゃないからそのまんまなんじゃないかな。

 

-梅干しをたくさん作ると梅酢もたくさんできますよね。梅酢は料理に使いますか?

 

倫子)料理には梅干しよりも梅酢をよく使いますね。豆腐マヨネーズを作る時に梅酢を入れたりしています。らっきょと豆腐と混ぜるだけで簡単なんです。

 

タマネギ氷を入れてもおいしいですよ。タマネギ氷って、蒸したたまねぎを凍らせておいて、味噌汁に入れたり、ドレシングに入れたりするんですけど。

 

ごぼうを蒸したときに梅酢を入れたりもしますね。ごぼうのきんびらの時にちょんちょんと2~3滴落とすんです。これはアク抜き対策で、この後に味付けはします。

ごぼうを炒めて、梅酢を落として蒸し煮にするとアクが抜けるっていうのを以前に習ったんです。

 

梅酢を薄めて飲んだりもします。保育園で調理の仕事をしていた時は汗をかくので、脱水対策で飲んでいました。風邪対策にうがいもしてましたね。

 

-梅干し作りは楽しいですか?

 

美恵子)はい、楽しいです。

シソを入れてぱーっと梅が染まった時が楽しい。

それから、干してる時。だんだん乾いていって、3日目になるとぽたぽたの梅になって、それが楽しいですね。

 

来年も作りますよ。去年作ったし、今年も、来年も作ると思いますよ。

3年前、一番最初に作ったのは相当おいしかった。もう食べちゃいましたね。

その次は硬かったけど、今年のはいいね。今度は無農薬とかこだわってつくってみようかな。

 

倫子)うんうん、それもおいしそう。

 

 

写真はこの6月に漬けたばかりの梅干し。塩もなじんでいて、ほっとするような懐かしい味わいです。

皮はほどよく柔らかく、実はふんわり。美恵子さんによれば、半分は皮が柔らかくて、半分は皮が硬かったのだとか。

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倫子さんが作ってくださったマクロビオティックの昼食。グラスは手作りの梅ジュース。

写真右は牟田家の梅干し。

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【2013年9月取材】