2013/10/06
梅干しを作る人々 その1~荒巻洋子クラウディアさんの場合
アロマセラピストとして長いキャリアを持つ洋子さん。アロマオイルのプロデュースやアロマ講座なども行っています。
―いつから梅干しを作っていますか?
実は、小学生の頃から、母の梅干し作りを手伝っていたんです。
それで、自分が大人になって、自然と作るようになりました。
―梅はどこで買っているの?
大人になって最初に作った時は、育児評論家の平田先生が紹介してくれた、
大分県大山町の丸金ファームというところで梅やシソも全部注文しました。
家に届いた梅の香りがびっくりするくらい良い香りで、すごく癒されて、こんなに癒される素晴らしい香りがあるんだって本当に感動しました。ちょっと疲れていた時だったのだけれど、元気が出てきたことが忘れられません。
翌年からは、色々なところの梅を試しています。
―梅干し作りは楽しい?
そうね。梅が熟した香りは本当に素晴らしくて癒されるし、やっぱり手作りはおいしい。エネルギーが違うもの。
梅干しって、作り方がシンプルなだけに作る人の心や想いがはっきり現れるよね。空気が動くところ、停滞していない場所に保存することも大事だと思う。
梅干し作りで失敗したことはない。赤ちゃんに接するみたいに、優しく丁寧にやってるもの。カビも出たことない。毎日見て、声をかけてる。梅だって生き物だから、こういうのって大事だと思う。
―塩の量はどのくらいで作ってる?
いつも目分量の適当です。梅は計るけど、塩は計らない。珍しいでしょ。一番最初に作った年は計ったと思うけれども、翌年からは目分量で作ってるよ。
ちゃんとできるから大丈夫。梅干しを作る人もいろんな性格の人がいるのよ(笑)
【荒巻さんちの梅干し】
「家で食べたり、人にあげたりで、もうあんまり残っていないんだけど」と言いながら、記念すべき初めて漬けた時の梅を持ってきてくれた5年物。食べてみると甘い!酸味も塩味も角が取れてまろやかに、ふんわり柔らかく、とろけそうな舌触りです。年月ってすごい!
【荒巻さんちの梅干しレシピ】
ゴーヤチャンプル
「沖縄出身だから、ゴーヤチャンプルはよく作ります。梅と豚肉はよく合うのよ。カリカリ梅と豚肉は特にgood! 」
おぼろ豆腐
「梅酢か梅をちぎったものを乗せるだけ。ご飯にかけてもおいしいよ」
うどん
「梅干し1つを落とすだけでおいしい!」
おにぎり
「梅干し、かつおぶし、醤油を混ぜたものを入れて握ったものはよく作ります」
お弁当
「お弁当にはもちろん入れるよ。梅干しを入れたら安心!」
肉じゃが
「梅干しを入れて作ると煮崩れを防いでくれるの。私は何でもキレイに作りたいので、入れてる。でも、入れ過ぎると梅味になるので1個の半分くらいでも大丈夫」
【荒巻さんちの梅干しの作り方メモ】
分量)
梅1キロに対して、シソは1束くらい。
塩は目分量。
毎年5~10キロ程度仕込む。
梅、塩)
「梅も塩も、どこのものを使うかは特に決めずに、その年のインスピレーションでピンと来たものを手に入れます。梅も塩もパワフルなものだし、その時の自分に合うものを選ぶことが大事だと思う」
シソ)
「もみしそを買う時もあるし、自分でもむ時もあります」
作り方)
1)軽く水洗い後、まる1日、水に漬けてアク抜き。
無農薬の場合はアク抜きはしない。
2)ヘタを取って、水気を拭く。匂いが残りやすいフキンが苦手なので、ペーパーナプキンを使用。
3)梅にホワイトリカーをまぶして、塩、梅、塩と交互に重ねて入れる。最後は塩でフタをする。重しは2リットルのペットボトルを2本。容器は漬物用のプラスティック樽を使用。
4)3日後にはペットボトルを1本に減らし、さらに1週間寝かせる。
5)塩もみした赤ジソを入れる。
※土用の日前後に干せるように、ここまでのすべての作業を終わらせられるよう逆算。週間天気もチェックする。
6)天日干しは、大きなザルに3日間。11時~15時くらいまでの間、途中ひっくり返しながら。終わったら夜は容器に戻し、3日目は11時から夜を越します。夜露に当てて翌朝容器に戻してできあがり。
【2013年3月取材】
追記)その後、今年ははちみつ梅も作っておいしかった!と教えてくれました。
梅を塩漬けして、梅酢が出たところではちみつを入れるとまろやかな味に。はちみつは多過ぎないほうが良いようです。
写真ははちみつ梅ではなく普通の梅干し。
果肉も皮もふんわりと柔らかく、すっきりとした酸味が特徴です。しみじみおいしい。