2013/10/07
梅干しを作る人々 その4~牛尾布美さんの場合
お子さんにアレルギーとアトピー性皮膚炎があったことから、自然食を研究し、料理教室や味噌作り講座を開いたり、自然食の講演も行う布美さん。現在はグリーンコープでも働いています。
―梅干しはずっと作っているんでしょう?
子供を生んでからだから、9年前から。数年ずつ空けながら4回くらいかな。
最初は、住んでいる団地に梅の実がなって、分けてもらえるらしいって話があったのね。子供のアトピーやアレルギーを食何とかしようとしていたところだったから、梅をもらえるなら、じゃあ漬けましょうかって思った。後になって、よーく見てたら、木は消毒したり薬剤散布も結構しているみたいだったけれど(笑)
―作り方は覚えてる?
1回目の時は本を見て作ったんだよね。見たとおりに、小鉢に焼酎入れて、そこに梅を1個ずつ浸してから塩をまぶしてってやってったら、すごい塩の量になって、味見したら、あまりにも辛くて、放置してたら、塩が固まって大きな結晶みたいになっちゃった。この時は失敗だった。シソも入れなかったよ。
次に作った時には、シソには殺菌作用もあると思って、入れることにした。シソは作業が面倒だなあと思っていたんだけれど、塩もみされた状態で売っているもみしそがあると気付いて、だいたいモミシソを買って加えてる。シソは自分でもんだことが1回くらいしかないの。だいたい何回くらいもめばいいの?よくわからない(笑)
最後に漬けたのは4年前、2009年かな。たまたまいただいた梅を友達3人で山分けして作ったんです。ひとりでやると気がめいってきちゃうから、うちに友達に来てもらって。友達と作業すると楽しい。でもちゃんとできたんだったかな、忘れちゃったな。
梅は黄色くなってからのほうがおいしいよね。
洗った後、アク取りのために一晩水に漬けて、ヘタ取って。塩分は11パーセント。これって結構減塩よね?
塩はグリーンコープで買った「なぎさの塩」。芋焼酎入れてから、塩入れて。
最後の時は、焼酎を一緒に入れたのかな。容器を熱湯や焼酎で消毒して、重しもするよ。
でも、梅酢があんまり上がらないのよね。塩が少ないのかな。
黒カビが出ちゃったこともある。その時は、梅は日光消毒して、梅酢は漉したよ。
ぽわぽわした白いのは大丈夫とも聞くけど、いいカビと悪いカビって境目が難しいね。
―味噌でも何でも手作りしてるでしょう?梅干し作りも楽しい?
梅干し作りは…ふふふふふ。ちょっと面倒かな(笑)友達とやると楽しい。楽しく作ることって大事。楽しく作らないとカビる。みんなでやった後はどうなったかな。聞いてなかった。
―土用干しもしてる?
土用干しはベランダでしてるよ。最初に干して、梅酢に戻して、3日目は夜露に当てるってのを最初はやったんだよね。
でも、いちいち戻すのが面倒なのと、干すと縮んで減っちゃうじゃない?もともと梅酢が少ないのに、減ったらヤダと思って、それからは、丸1日干して、おしまい。朝干して、夜もずーっと越して、朝が来て、24時間干して終了です。梅酢はラップをして外に出す。
面倒くさがりだからできるだけ手間は省いてます。土用干ししたら、もういじらないね。
―梅は料理に使ったりする?
だいたいは、そのまま食べるかな。梅の時期は梅料理教室もするけれど。
せっかくおいしい梅干しを刻んで混ぜ込んじゃったら味がわかんなくなっちゃう。
でも、たまにはお料理にも使う。長芋のサラダに梅肉入れたり、もずくと混ぜたり。
あとは、五目寿司を作るのに酢がなかった時に梅酢を使ったなあ。まあ酢があれば酢を使うんだけれどね(笑)それでも梅干しは好きだよ。
【牛尾さんちの梅干しの作り方メモ】
分量)
梅1キロ
芋焼酎 適量
塩110グラム
シソ 100グラム程度
梅)
いただいた梅で作ったり、購入したり色々。
シソ)
もみしそを購入して入れることが多いけれども、たまには自分でもむ。
塩)
なぎさの塩を使用。
作り方)
1)梅を洗って、一晩水に漬ける。
2)ヘタを取る。
3)梅に芋焼酎と塩をまぶす。
4)1ヶ月ほど置いてから、シソを入れる。
6)梅雨明けしたら土用干し。ザルに上げて丸1日干す。
【2013年3月取材】
追記)
取材後の半年後、2013年6月に漬け込んだ梅干しを持ってきてくれました。
このコーナーで掲載している山崎さんちの梅をいただいて漬けたのだそうです。塩分14パーセント、シソも自分で塩もみされています。シソの塩もみは塩分10パーセント。土用干しは昼間の時間のみ1日だけ。梅酢が減るのが気になるので、干し時間は最短とのことでした。
仕上がりは柔らかくしっとりとした舌触りと爽やかな香り、まろやかな酸味。色もきれいに染まっています。旨い!
布美さん手作りのご飯。白和えには梅干しが使われています。下は梅ジャムを添えたグリッシーニ。