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梅干しを漬ける人々~じゃがいも村わいわいクラブの場合~

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福岡県糟屋郡新宮町にある“じゃがいも村”。ここには、あめんぼの泳ぐ田んぼ、馬や鶏が遊ぶ草原、畑が広がっています。築200年の古民もあり、日本の田舎の良さが感じられる場所です。

 

じゃがいも村をフィールドとして、里山を守り、自然を楽しむことを目的に活動しているのが「わいわいクラブ」の面々。じゃがいも村で採れた梅で梅干し作りも行っています。この日はメンバーの4人の女性たちが集まり、お話を聞かせてくださいました。

 

―では早速作り方を教えてください。

 

江川)減塩で梅干しを作っています。塩分は10パーセント。1キロに対して、酢は1合。塩は伯方の塩が多いかな。粗塩ね。もともと梅干しを作ったこともなくて、みんな素人だし。メンバーの高木さんに作り方を教えてもらってやってるの。細かな点は試行錯誤よ。

 

でも結構緊張するわよね。販売するものだから、土用干しは雨に当てないように、とか結構神経使うわよ。量も多いしね。4人で18キロくらい漬けているけど、イベントで販売したり、古賀インター近くのコスモス広場ってお店で販売したりで、すぐなくなっちゃうわね。

 

高木)私は昔から親が作っていたのを見てたけれど、塩加減とかはわからなかったから、本で調べて。最初は塩分18パーセントで作って、15パーセント、10パーセントってどんどん減らしていきました。塩が少ないとカビが生えたりもするから、それを防ぐために梅1キロに酢1合を入れます。前は焼酎も入れていたけど、シソのきれいな色が出なくて、酢が一番いいって聞いてから酢を使っています。シソジュースでも酢を使うときれいな色が出るじゃない?

 

作り方は長年漬けている友達のおばあちゃんに教えてもらってね。80代のね。酢を使うのは、別にこのあたりの文化って訳でなくて、そこのご主人が血圧やら何やらで塩分減らしたという感じよ。酢が呼び水みたいなもので、梅酢も出やすくなるみたい。酢の香りも残らないわよ。

 

真崎)シソも採れたものがあれば入れて、足りなければ地元の農家の人が作っているシソを買ったりもするね。コスモス広場で自然栽培で作っているのをね。

 

江川)もう5年は作ってるかしらね。最初は土用干しをしない梅漬けだったけど、土用干しをちゃんとするようになってから、梅干しって感じの味になったわよね、色もキレイに出るようになったし。自己流だったら干してなかった。

 

梅の作業は手分けしてって感じよね。まあ言いだしっぺが困るよね。言ったらやらなきゃだからね。お鉢が回ってくるから。

 

真崎)こちらは仕事も辞めてサンデー毎日だから、危険危険(笑)

 

作業はみんなで一緒にここ(じゃがいも村)で漬け込みとシソ漬けの作業をして、土用干しはそれぞれ持ち帰って、家でやっているのよ。夜は雨降ったら怖いしねえ。土用干しはひとり1ビンずつ持ち帰るの。

 

干しっぱなしで夜は10時くらいまでかな。人によって、きちんとな人もあいまいな人もいて。でも皆あいまいよね(笑)

大体3日干したら、水分は飛んで、破れないようになるわね。

 

江川)土用干しは、ザルかスダレだね。1日1回くらいひっくり返してるかな。私は大根干すときもすだれよ。雨が降ったら、そのままぐるぐるってして玄関に置いてまた次の日干したりしてね。梅はそういう訳にいかないけど。

 

干す場所はベランダ、庭とか、それぞれの状況で干していますね。干すと甘味が出るよう気がする。全然味が違うね。

 

―梅干しはお料理に使いますか?

 

高木)私は和え物にする感じかな。小松菜とか。

 

真崎)山芋を豚バラで巻くときに梅肉を入れたりする。

 

江川)梅とちりめんじゃこ、とろろでお吸い物。ひとり梅1個で、はい食べなさいって。種食べながら汁飲んでる。私が出かける時はおにぎりと朝のおかずの残りと、お椀にお吸い物用意しといて、夫にお湯入れて飲んでもらう。

 

高木)それは塩分取り過ぎになるじゃない、お父さん?

 

江川)砂糖取り過ぎよりいいじゃない?それに高木さんとこの梅干しはそんな塩分ないじゃない?

 

高木)まあねえ、うちは前は毎日食べよったけど、このごろは忘れとうみたい。

 

江川)ああ、うちも色々忘れるね。結婚生活が長くなるとチグハグになる。粗末じゃなくてね、かみあわない(笑)家でも外でもね。この頃すぐかーっとなるけん。

 

高木)気をつけなあいかんね。

 

―わいわい賑やかにされているようですが、梅干し作りは楽しいですか?

 

真崎)お金のためよ。資金作り(笑)

 

江川)「わいわいクラブ」の資金作りとして始めたことだから、梅干し作りを楽しいとかも考えたことなくて、梅がたくさんなるから作っているんだけれど。

 

地元じゃみんな安く売るから、あんまり高い値段つけられないのよね。ここの梅も無農薬、無化学肥料だけれど、このあたりじゃ珍しくもなんともない。自然に育っている梅があって当たり前で、そういう点での評価は受けないのよね。天神あたりじゃまた違うんだろうけどね。

 

梅干し作りは、うーん、追われてるって感じよね。梅を無駄にしないように漬けるので精一杯よ。私は失敗したらいかんってその思いだけよ。

 

このおいしい梅干しをみんなに提供したいって気持ちで作ったらまた変わってくるかもしれない。パッケージとかも変わるんじゃないと?

 

だけど、みんな一応添加物とかそういうのがないのを作りたいねっていうのはベースにあるからね。

 

青山)それでも楽しいことは楽しいですね。

 

江川)梅もご所望があれば分けるけど、アピールするほどは作ってないものね。そこまではなかなか手が回らないわね。

 

でもね、梅干し作りたいって人が集まるか集めるかして、それが広がっていけばいいなと思うんだけどね。

 

【じゃがいも村「わいわいクラブ」のメンバー】

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60~70代の元気いっぱいの女性たちです。笑い声とおしゃべりは  常に続き、まさに「わいわいクラブ」!この日集まってくださったメンバーは高木静代さん、青山直子さん、真崎財子さん、江川美佐子さん。

 【じゃがいも村「わいわいクラブ」の梅干し】

酢を使った減塩タイプ。すっきりとした酸味とまろやかな果肉の味わいが絶妙。酢の香りは全く気になりません。おいしくて食べ過ぎてしまいそう。

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【じゃがいも村「わいわいクラブ」の梅干しの作り方メモ】

 

分量)

梅1キロ

塩100グラム

酢1合

シソ1束程度

 

作り方)

1)梅を洗う。アク抜きとしてひと晩水に漬ける。

 

2)フキンなどで拭いてヘタを取る。

 

3)梅に塩と酢をまぶす。

 

5)1ヶ月ほど置いてから塩もみしたシソを入れる。塩はシソの重量の8~10パーセント。

 

6)梅雨明けしたら土用干し。

 

*容器は焼酎を使って消毒しておく。

 

じゃがいも村では農村の地域再生を目指し、子供たちのための里山ようちえんや貸農園、イベントなど様々な取り組みを行っています。梅の木のオーナー制度もあり、梅干研究所でもお世話になっています。粒も大きく、エネルギーあふれる梅がたくさん採れるのです。そして梅の収穫はとっても楽しい!

 

【2013年5月取材】

 

梅干しを漬ける人々 その6 ~くみさんの場合

 

福岡市南区の住宅街にお住まいのくみさん。お仕事をしながらも時には料理の先生となり、3人の男の子を育てるお母さんでもあります。庭にはトマトやナス、キュウリなど季節の野菜が実る家庭菜園、ご主人が自作したという石釜もあります。石釜ではピザを焼いたりもするのだそうです。

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―梅はどんな感じで作ってるんですか?

 

以前は大量に漬けていたこともあるんですが、今は平日働いてるし、家で食べる分しか作らないので、無理のない範囲で1キロずつ、2キロずつをチョコチョコ作っています。できそうだな、と思う時にパッと買いに行く。いっぺんに何十キロっていうとイヤになっちゃったりするので、シーズン中は毎週末に買いに行って、その時の気分で今日は3キロいけるかなというときは3キロ買うし、今日は1キロだなって時は1キロで。

 

梅がちょっと青かったら、水に漬けてますね。半日くらい漬けて、ザルに揚げて、自然に水が切れるようにして。しばらく置いて、それから漬け始めるんです。15パーセントの減塩なので、塩だけだとカビが生える時もあるので、焼酎を1キロにつき50ccくらい入れてますかね。焼酎をからめてから塩を入れて、重しをして置いてます。重しは普段使わないダンベル(笑)シソは「木の花ガルデン」で買ってくるもみしそを使います。シソの作業は結構大変ですよね。これはうちのおばあちゃんのアイデアなんですけど、大量にある時はシソの葉を摘んでから洗うんです。それから木綿というかガーゼの絞り袋みたいなのを作って、洗濯機の脱水モードにかけるときれいに水が切れるんですよ。

 

だいたいうちは大きなタッパーで漬けてます。玄関のほうに漬けてる状態のがあるんですよ。ほら、この小さな棚の中にあるでしょ。こんな風に自家製の梅干しや味噌が家の中のあちこちに隠れているんです。

 

うちはみんなが食べるんで、はけも早いし、塩が濃いと下の子たちが塩辛いみたいで。だから15パーセントで作っていて、このくらいで作るとちょっとフルーティな感じが残る。冷蔵庫に入れなくても大丈夫みたい。まあうちはそんな長い間保存しないから。前に13パーセントで作った時は冷蔵庫に入れなかったらカビが生えたから、15パーセントがギリギリかも。

 

土用干しはそんなにしっかり干してないんです。3日間干さなくても意外といけるんですよね。丸1日干して翌朝取り込んで、というやり方です。ね、大丈夫でしょう? うちはそんなに大きな梅を使わないし。もっと大きいと難しいかもだけど。

 

梅は七折っていう種類を使っています。普通のよりもちょっと小さくって、大きさ的にお弁当にはこれがいいみたい。歯応えはすごいフワフワになります。七折ってちょっと高いんですよね。この梅だからこういうフワフワになるのかもしれないですけど。お店で見たら、やっぱりこんな感じでしたね。このフワフワ感と皮の薄さ、食感が大事ですね。

 

塩はあんまりこだわってない。何入れたっけ? 産直のお店みたいなところに行って、あったら買うんですけど、これは昨日F-コープに行ったらあったので。自分の中で決めているのは、梅干しには天然の粗塩っていうくくりだけですね。

 

友達が、梅干しには良い塩がいいって聞いて、高いのがいいんだって思い込んでゲランドの塩(注:フランス産の海塩)を使ったら、なんか違っておいしくなかったって(笑)日本の梅にはやっぱり日本の塩がいいんだなってそれを聞いて思った。

 

―梅はどこで手に入れてるんですか?

 

梅は、私はいっつも木の花ガルデン(注:梅の産地として名高い大分県大山町の農産物を販売しているショップ。レストランも併設)で買ってるんです。安いのよね。お店の人は「そんなに農薬はそんなにしてないと思いますよ」とは言ってました。なりっぱなしみたいな感じなんだろうなと。

 

梅の時期は午前中が勝負なんですよ。お店が10時オープンで、日曜は土曜に売れちゃうからあんまり残ってなくて、だから土曜日の朝が勝負。この時期はどんなに忙しくても、天気が悪くても梅作んなきゃって思って。他の人に言うと「やめとき」とか言われるんだけど、この時期しかないし、今作らなかったら1年間ないんですよ。豆と栗と梅は時期を逃したくないんですよ。だから、この時期は狂ったように梅を作っていて、それが終わると今度は栗なんですけどね。渋皮煮にして、冷凍しといて、お正月の時期になったら、きんとんの上に乗っけてるんです。

 

梅のちょっと前の時期は豆なんですよ。エンドウとかモロッコインゲンとか。豆も結構足が速いじゃないですか。豆の時期になったら、豆ばっかり買いに行って。豆が終わったら梅を買いに行って。栗が終わったら、渋柿買って干し柿作って、次は大根買いにいって大根干して。「あんた忙しいんだからやめりーよ」って言われるんですけど、やめられない。その時期だけだから。四季のある国の人に生まれたからですね、やっぱり四季はありがたいですね。雷雨の中でも行きますよね。車を運転してて前が見えなくても、やっぱりそんな日でもいるんですよ。もう腰が曲がったおばあちゃんが開店前に待ってるんですよ。で、オープンと同時にワーッと梅のところに行って買ってるの。この時期の木の花ガルデンやぶどう畑は面白いですよ。ぶどう畑というのは、このあたりの自然派の奥さん方がよく行くお店ですね。普段見ないような面白いお野菜が売ってるんですよ。それで「これどうやって使うのかしら」なんてつぶやいたら、四方八方からおばちゃんたちが「それはね、こうして食べるといいとよ」、「ウチはこうやってる」って。もちろん全然知らないお客さんたちですけど(笑)

 

―みんなアツいですね(笑)

ところで梅や梅酢も使いますか?

 

白梅酢(シソを入れる前の透明な梅酢)は効くんですよ。赤よりも効きますね。夏とか子供がおなか痛いみたいなときにおちょこ一杯くらい飲ませるとよく効きますね。それで白梅酢は常備しています。

 

赤梅酢はスプレーボトルに入れて、出来上がったお弁当に高いところからシュッシュとします。ポイントは高いところからすることですね。近くからすると全部梅酢の味になっちゃうので。

 

ゆかりも作ってます。シソは夏の暑いときにバリっとなるまで乾かして、フードプロセッサーにかけて、白ごまを混ぜて置いてます。ご飯にかけたり、きゅうりとかにはそのままふりかけるとおいしいですよ。大根に入れて浅漬け風にしたりとか。

 

あとは梅干しを野菜に和えたりしてちょこちょこ使いますね。果肉を使って余った梅の種はとっておいて、梅ひじき煮に使ったりしています。私、幼稚園などで食育の講演会をすることもあるんですけれど、そんな時にこのお話をしたら、自家製の練り梅を作ってらっしゃる方が「今まで種は捨ててました、次からやってみます」って言ってくださって。

 

―カリカリ梅も作っているんですよね?

 

カリカリはね、余った梅酢に漬けてるだけなんですよ。時間がたつとあんまりカリカリじゃなくなるんですけど。青い小梅を買ってきて、前の年の梅酢に漬けてるだけ。一番簡単で子供も一番好きなんでよね。ただ、とにかく出たばかりの青くてカタイのを買ってこないとですね。

 

―梅干し以外にも梅で色々作ってるんですよね。

 

はい、梅ジュースは作ってます。青梅1キロに対して白砂糖1キロ、きび砂糖だったら800グラムにして、酢は1/2カップ。ちょっと酢を入れるだけで発酵しないし、腐敗とかの心配もないし、味も酢の感じはしないです。2ヶ月くらいで実は取り出すのだけど、家族みんなが好きだから、飲むスピードが結構速くて、そこまで持たないことも多いですね。

 

子供たちは部活で体を動かすけど、市販のスポーツドリンクがあまり好きではないので、梅ジュースを持たせています。甘さがあっさりしていて飲みやすいみたい。梅ジュースは薄めないでそのままカキ氷にかけてもおいしいですよ。凍らせてグラニテにしてもいいし。その時はジュースにした梅の実を刻んで混ぜたりしたりします。

 

シソジュースも作っていて、私は葉っぱをお酢で煮るんです。500ccのお酢にシソ2束くらい、葉だけちぎったのを入れて、軽く煮立ったら、弱火で1~2分煮出すんです。キレイな色が出てくるんで、1回漉して、それからお砂糖400グラムを入れるんです。炭酸水で割って飲むとおいしいですよ。遠目で見るとスパークリングワインみたいなの。

 

―梅干し作り教室などもしていたんですよね?

 

昔、ジップロックで1キロくらい作る教室をやったこともあります。2キロくらいは入るから、そのまま置いとくと重しもいらないし、梅酢もよく出るからカビが生えづらい。失敗しづらいですね。シソも1束くらいでいいから楽だし。

 

味噌もジップロックで作れるんですよ。麹の量を多くして、1ヶ月くらいでできるんですよ。うちで味噌作り教室をして、皆で同じように何十キロって作るんです。それを皆で分けて持ち帰って、しばらくたってから持ち寄り味見会をするんですね。そうすると同じように作ってるのに、それぞれ味が違うんですよ。おうちの温度や湿度、常在菌などが違うんでしょうね。誰もが「うちの味噌が一番かわいい」みたいに言ってて、手前味噌ですね。同じものを同じように作っても味が違うってのが面白いですね。

 

私は梅干しも味噌も合わせ調味料も、なんでも手作りしてますね。「いつそういうことをやっているの?どうやって時間を作っているの?」ってよく聞かれます(笑)毎日バタバタと過ぎていきますね。

 

【くみさんちの梅干し】

七折という種類の梅なので、食べやすい小さめサイズです。皮も薄く実もフワッフワ。赤く均一な色に染まっているのが見事です。

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【くみさんちの梅干し作りメモ】

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分量)

梅1キロ

塩150グラム

焼酎50cc

シソは、塩もみされて販売している「もみしそ」を購入

 

作り方)

1)梅を洗って水に漬ける。熟していれば1時間くらい、青ければ半日くらい漬ける。

 

2)ザルに上げて、そのまましばらく置く。

 

3)梅に焼酎をまぶしてから塩をふりかける。袋に入れたダンベルを重しとして利用。

 

4)1ヶ月ほどして梅酢が出てきたら、もみしそを投入する。

 

5)梅雨明けしたら土用干し。朝から翌朝まで干して、出来上がり。

 

※小梅の場合も塩分は同じ15パーセント。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERAご家族みんなが大好きだというシソジュース。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA梅ジュース。果実酒のビンがキッチンのあちこちに。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAカリカリ小梅。お茶請けにもぴったりです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA庭の石釜。その裏手には家庭菜園があります。

梅干しを作る人々 その5 ~美保さんの場合

美保さんには小学生のお子さんが2人。お話を聞いていると、手作りを大切にした食生活や丁寧な暮らしている様子が伝わってきます。お子さんたちもそれを受け継ぎ、すでにお料理がかなりできるのだそうです。

 

 

―ご実家に梅の木があるんですよね?

 

実家は福岡県豊前なんですけど、家に梅林があるので、母は梅干しをずっと漬けてます。木は20本弱くらいかな、普通に植えてあるだけなんです。何にもしていないので無農薬です。ただ、上のほうに枝が伸びると脚立がないと実が取れなくなるから、枝が横に広がるように、何年かに一回くらいは枝を切ってあげるのと、梅ちぎりの前にヘビなどがいると困るので、草刈りはしようかなというくらい。

 

私も子供も行ける時は収穫に行くし、行けなくても梅を段ボールでドーンと送ってくるので、じゃあ作ろうかと作っています。

梅はできるだけ熟した状態で収穫するんです。お店だと、まだ青い状態で売っているけれど、木になっている状態で熟した梅で作ったほうが梅干しも甘くておいしいですね。

 

値段がすごく高い梅干しは、きっと木で熟したもので作ったりするんでしょうけど、色々添加物も入った甘ったるい感じになっていてもったいないですよね。私、調味梅干しが苦手なんです。

 

梅の実は大きいのも小さいのもあるしバラバラ。種が大きくて実が少ない、昔ながらの梅で、いろんな形と大きさがあって、でも別に気にせず、一緒に使ってます。販売されている実はだいたい品種改良とかもされているんでしょうね。

 

そういえば、竹林ってどんどん増殖するけど、梅の木ってそんなに増えない。梅の種が芽を出すには時間がかかるのかな。

 

シソは自生している感じで毎年できます。福岡の方言では「てんとうばえ」って言うんです。種が落ちて、毎年出来ているので、特に植えたりする訳ではないです。特に何もしないし、もちろん農薬も一切使わないので、出来はマチマチです。

 

―作り方を教えてください。

 

うちの梅干しは、焼酎と氷砂糖を使うんです。ちょっと梅酒の梅っぽいイメージはあるかも。梅酒と使う材料一緒だしね。

実家では、もともとは塩だけで作ってたんです。ただ、母が血圧が高くなって、塩分を気にし始めた頃に、誰かに教わったか、本で見たのか、今の焼酎と砂糖を使う作り方になりました。減塩目的にやってみたら美味しかったから続けていて、私もその味に慣れているので、砂糖を使うやり方で作っています。

 

実家では砂糖はグラニュー糖を使っていて、私はグラニュー糖と氷砂糖を半々くらいで作っています。梅のシロップ漬けで氷砂糖も使うのでそれを使っているというだけなんですが。まろやかだからパクパク食べれちゃう。子供たちも大好きで平気で5~6個ぐらい食べるんです。梅干しちょっとにご飯2杯とかって言うけど、うちはご飯ちょっとに梅いっぱい、みたいな割合で食べる。だから、逆日の丸でお弁当作ってやろうかとか考えちゃう。

 

土用干しは私は3~4日くらいだけど、実家では3日以上干している。ざるに広げるんだけど、古い一軒家だから、雨の時や夕方からは軒の下に入れておいて、また朝に外に出す、みたいな感じ。母は働いていて忙しいから、日曜から日曜までとか、普通に3日3晩以上干してますよ。干している時に外出していて雨で濡れたら、乾燥するまで置いておく(笑)

うちの梅干しはかなり大雑把だから。繊細なものじゃないの。

 

最後は梅酢に戻して、シソが育った時点で、塩でもんだシソを入れる。土用干しの後にシソを入れることが多いですね。土用干しの頃にはシソが収穫できる状態じゃないことが多いから。入れる時期、量はシソの出来具合によってです。シソができなければ入れないし、買ってまで入れないかなあ。

 

できあがった後は、私はガラス瓶に入れて流しの下に置いているけれど、実家は茶色い壷に入れて土間とか納屋に置いてます。

 

そういえば、日系アメリカ人の友達が、すっごいきちんとしている性格で、梅干しも梅の大きさにもこだわって、塩が1グラムも間違っちゃいけないくらいな勢いで作ってた。土用干しの時期にアメリカに里帰りしなきゃだったらしいんだけど、

『僕はこの時期に梅を干さなくてはなりません、でもアメリカに行かなくてはなりません。だから干してください』って託児所にお願いしていたよ(笑)

 

―いろんな梅干しがありますね(笑)

ところで、実家ではシソも野菜もたくさんできるんですよね。

 

実家は、兼業農家ってほどじゃないけど、代々の畑があるんです。たぶん軽く100年以上は昔から。母方の古い世代からずっと住んでいる家なんですけど、昔はほとんど自給自足じゃないですか、だから食べられる何かを植えようという感じで色々植えたんだと思う。梅の木も祖父母が植えたみたいです。母が働いてても梅干しを作っているのは梅があるからだと思う。ずっと昔からの習慣だからね。

 

実家には、さくらんぼに梅、見るための梅もあって、シソにみつば、みょうが、さんしょの木とか。それから、少し離れたところに畑があって、柿の木、桃の木、だいだい、栗の木…。畑にも野菜が色々あって、家で食べるのだから多少虫食いでもいいやって、農薬も化学肥料も使わずに作ってきて、私はそれを食べて育ってきた。だからその環境が自分にとって普通なんです。今も実家で採れた野菜を送ってくれるのでそれを食べているんです。食べるものはとっても大事。買うとしても無農薬のがいい。でも、スーパーとかデパートとかで見ると高いし。実家で採れるものを買う気がしない(笑)

自然派なのかな。でも、こだわっているとかじゃなくて、自分が育ったのと同じようにしてたら、こうなる感じです。

田舎で暮らしていると、野菜がどんどん回ってくる。取れたら、もう家で食べるかあげるか、捨てるかしかないから、どんどんまわすの。ドサーっと来るんです。豊かですね。だから都会の人が田舎に憧れる気持ちはわかるけど、私はもういいかなって感じ(笑)

たまに帰るくらいでいいかな。子供の頃からなんとなく畑の世話もしてきたし。

 

―梅干し以外にも梅を使って何か作りますか?

 

梅蜜、梅味噌は作りますね。梅が余ってどうしようもないし(笑)

送ってきた梅は人にあげてはいるけど、あげられる人ってやっぱり限られるし、ひとりで引き取れる量って限りがあるし。

 

梅にはちみつを入れてシロップも作るんですけど、必ず発酵しちゃうんです。ちょっと酸味のある香りになるんですよ。なんでかなあ。早めに取り出して煮沸したほうがいいのかも。

 

主人の実家にも梅を送ってるんですけど、それを使って義母は梅の洗顔料も作っているんです。毛穴の汚れ、角質が取れる感じで肌がつるつるになるんですよ。女優さんが作っているらしいです。

作り方は、生梅を1~2時間水に漬けてアク抜きしてから、沸騰したお湯で梅が柔らかくなるまで茹でて、ザルに上げて、種を外してから裏ごし。裏ごしは目の粗いもので大丈夫。鍋で水分を飛ばしながら混ぜながらジャムみたいになるまで煮て、できあがりです。冷凍しておいたらいいみたい。梅は色々使えますね。

 

【美保さんちの梅干し】

まろやかで食べやすいのが特徴です。果肉もふっくら柔らかです。

梅干研究所では美保さんちで採れた梅を分けていただいて仕込みました。仕上がりが楽しみです。

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【美保さんちの梅干しレシピ】

「だいたいそのまま食べます。旦那さんが酸っぱいものが苦手なので、みんなが食べるものには梅干しは入れないです。旦那さんは梅干しもほとんど食べないですね。義母さんが作った梅ジャムはカレーに入れたり、料理に使うこともあります」

 

【美保さんちの梅干しの作り方メモ】

毎年1~^2キロ程度、ご実家では5~10キロ程度漬けるそうです。前年度の残り具合で漬ける量を調整しているのだとか。

 

分量)

梅1キロ

塩100グラム

グラニュー糖と氷砂糖で合わせて100グラム(割合は半々くらい)

焼酎50cc

シソは出来ただけ。

 

梅)

実家で採れた梅、シソを使用。

 

塩)

塩分濃度は10パーセント。

 

シソ)

適量の塩で塩もみ。

 

作り方)

1)梅を水洗い。梅が青い時は2時間ぐらい浸水、黄色くなりかけてたら1時間ぐらい浸水、熟れていたら水洗いのみ。

 

2)フキンなどで水気を拭き取る。

 

3)梅に焼酎をまぶしてから、塩、砂糖を入れて混ぜる。大きなボウルを使用。重しには水をビニール袋に入れたものを使用。

 

4)土用の頃に3~4日間くらい連続して晴れそうな時に土用干し。ザルに広げて干す。朝から干して、夜は雨の当たらない軒下に、朝はまた日なたに出すというのを3~4日間繰り返す。梅の表面が乾いていたら土用干し終了。家事などの都合上、昼間に取り込む。

 

 

5)しそを塩もみする。しそが実家から届く時期によるので、土用干ししている間に塩もみすることもあれば、土用干しより早く塩もみして冷蔵庫に保存しておくこともある。

 

6)土用干しした梅にシソを入れる。梅酢も一緒に保存。

 

【2013年4月取材】

梅干しを作る人々 その4~牛尾布美さんの場合

お子さんにアレルギーとアトピー性皮膚炎があったことから、自然食を研究し、料理教室や味噌作り講座を開いたり、自然食の講演も行う布美さん。現在はグリーンコープでも働いています。

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―梅干しはずっと作っているんでしょう?

 

子供を生んでからだから、9年前から。数年ずつ空けながら4回くらいかな。

 

最初は、住んでいる団地に梅の実がなって、分けてもらえるらしいって話があったのね。子供のアトピーやアレルギーを食何とかしようとしていたところだったから、梅をもらえるなら、じゃあ漬けましょうかって思った。後になって、よーく見てたら、木は消毒したり薬剤散布も結構しているみたいだったけれど(笑)

 

―作り方は覚えてる?

 

1回目の時は本を見て作ったんだよね。見たとおりに、小鉢に焼酎入れて、そこに梅を1個ずつ浸してから塩をまぶしてってやってったら、すごい塩の量になって、味見したら、あまりにも辛くて、放置してたら、塩が固まって大きな結晶みたいになっちゃった。この時は失敗だった。シソも入れなかったよ。

 

次に作った時には、シソには殺菌作用もあると思って、入れることにした。シソは作業が面倒だなあと思っていたんだけれど、塩もみされた状態で売っているもみしそがあると気付いて、だいたいモミシソを買って加えてる。シソは自分でもんだことが1回くらいしかないの。だいたい何回くらいもめばいいの?よくわからない(笑)

 

最後に漬けたのは4年前、2009年かな。たまたまいただいた梅を友達3人で山分けして作ったんです。ひとりでやると気がめいってきちゃうから、うちに友達に来てもらって。友達と作業すると楽しい。でもちゃんとできたんだったかな、忘れちゃったな。

 

梅は黄色くなってからのほうがおいしいよね。

洗った後、アク取りのために一晩水に漬けて、ヘタ取って。塩分は11パーセント。これって結構減塩よね?

塩はグリーンコープで買った「なぎさの塩」。芋焼酎入れてから、塩入れて。

 

最後の時は、焼酎を一緒に入れたのかな。容器を熱湯や焼酎で消毒して、重しもするよ。

でも、梅酢があんまり上がらないのよね。塩が少ないのかな。

 

黒カビが出ちゃったこともある。その時は、梅は日光消毒して、梅酢は漉したよ。

ぽわぽわした白いのは大丈夫とも聞くけど、いいカビと悪いカビって境目が難しいね。

 

―味噌でも何でも手作りしてるでしょう?梅干し作りも楽しい?

 

梅干し作りは…ふふふふふ。ちょっと面倒かな(笑)友達とやると楽しい。楽しく作ることって大事。楽しく作らないとカビる。みんなでやった後はどうなったかな。聞いてなかった。

 

―土用干しもしてる?

 

土用干しはベランダでしてるよ。最初に干して、梅酢に戻して、3日目は夜露に当てるってのを最初はやったんだよね。

 

でも、いちいち戻すのが面倒なのと、干すと縮んで減っちゃうじゃない?もともと梅酢が少ないのに、減ったらヤダと思って、それからは、丸1日干して、おしまい。朝干して、夜もずーっと越して、朝が来て、24時間干して終了です。梅酢はラップをして外に出す。

面倒くさがりだからできるだけ手間は省いてます。土用干ししたら、もういじらないね。

 

―梅は料理に使ったりする?

 

だいたいは、そのまま食べるかな。梅の時期は梅料理教室もするけれど。

せっかくおいしい梅干しを刻んで混ぜ込んじゃったら味がわかんなくなっちゃう。

 

でも、たまにはお料理にも使う。長芋のサラダに梅肉入れたり、もずくと混ぜたり。

あとは、五目寿司を作るのに酢がなかった時に梅酢を使ったなあ。まあ酢があれば酢を使うんだけれどね(笑)それでも梅干しは好きだよ。

 

【牛尾さんちの梅干しの作り方メモ】

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分量)

梅1キロ

芋焼酎 適量

塩110グラム

シソ 100グラム程度

 

梅)

いただいた梅で作ったり、購入したり色々。

 

シソ)

もみしそを購入して入れることが多いけれども、たまには自分でもむ。

 

塩)

なぎさの塩を使用。

 

作り方)

1)梅を洗って、一晩水に漬ける。

 

2)ヘタを取る。

 

3)梅に芋焼酎と塩をまぶす。

 

4)1ヶ月ほど置いてから、シソを入れる。

 

6)梅雨明けしたら土用干し。ザルに上げて丸1日干す。

 

 

 

【2013年3月取材】

 

追記)

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取材後の半年後、2013年6月に漬け込んだ梅干しを持ってきてくれました。

このコーナーで掲載している山崎さんちの梅をいただいて漬けたのだそうです。塩分14パーセント、シソも自分で塩もみされています。シソの塩もみは塩分10パーセント。土用干しは昼間の時間のみ1日だけ。梅酢が減るのが気になるので、干し時間は最短とのことでした。

仕上がりは柔らかくしっとりとした舌触りと爽やかな香り、まろやかな酸味。色もきれいに染まっています。旨い!

 

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布美さん手作りのご飯。白和えには梅干しが使われています。下は梅ジャムを添えたグリッシーニ。

梅干しを作る人々 その3~ミユキさんの場合

 

ミユキさんは食を大切に暮らすヨギーニ。今はヨガが楽しくてしょうがないとニコニコと話してくれます。

 

じゃあ、梅のことを…と話を切り出したら、おもむろに梅ノートが出てきました。ノートには、丁寧な文字でびっしりと梅干しのことが書かれています。

 

―いつから梅干し作りを始めたんですか?

 

梅干し作りは5年前から始めました。本当はずっと作りたかったんですよ。でも、周りに作ってる人はいないし、きっかけがなくって。

 

それが結婚してみたら主人の実家の庭に梅の木があって、昔から作っていたんです。お義父さんがずっと梅干しを作っていて、お義父さんに教えられてお義妹さんも作っている。だから結婚後に教えてもらいました。お義父さんは昔ながらの方法で作っているんですけど、お義妹さんはジップロックを使って作っているので、私はその方法を教えてもらいました。近くに作っている人がいるのは心強いですね。何かあったら聞けばいいって思うから。

 

梅干し作りを始めるには、やっぱり誰かが梅干しを作っているのを見ることって大事ですね。子供の頃に見たことがあるとかでもいいんだけれど。見たことがないと作れないって思い込んじゃうけど、一度でも見たことがあると、自分にもできるかもって思えて、梅干し作りのハードルが下がる気がします。

 

―昔から梅干しを作りたかったんですね。

 

そう、私は梅干しを漬けるお嫁さんになりたかったんですよ。“昔の嫁”像みたいなのが自分の中にあった。結婚したら、できるようになりたいということがいくつかあったのだけれど、そのうちのひとつが梅干しを漬けること。丁寧に作ることをしたいという感じ。作るのが好きなんです。

 

―作った梅干しは毎日食べる?

 

うーん、そんなに食べないかな。実は私は梅干しは食べるのはそれほど好きではないんですよ(笑)主人は梅干しが好きなんですけど。でも、体にいいことは知ってるので、サプリメント感覚で食べてる部分はあるかも。体にいいと思うと、苦いものでも何でも食べれちゃうほうで、頭で食べてる感じかな。お茶と一緒にかじることが多くて、普段の食事ではあまり食べないです。でも、おにぎりには入れますね。でかけた時に、パッと食べれるようにおにぎりを持って外出することが多いんです。やっぱり結構食べてはいるかな。

 

毎年10キロくらい作ってます。マクロ(=マクロビオティック)では年数を重ねたものがよいと言われていて、3年目くらいから薬効が高まってくるとされているんです。だから作ってから3年くらいたったものを食べたいんですよ。でも、家で食べたり、人にあげちゃったりして、なかなか3年は残らないですね。

 

でも、梅干し作りは本当に楽しいですねえ。香りもいいし、変化していくのが面白いし、梅が愛おしくてしょうがない。もう毎日梅に話しかけてる。『今日はどんな感じ?』みたいに(笑)

 

―すごいわかります(笑)

ところで、

マクロビオティックはずっとやっているの?

 

マクロも5年くらい前からです。その前に、お肉を食べるのをやめたんです。それまで当たり前にお肉を食べていたんですけど、知り合いにベジタリアンがいて、動物の飼育状況や環境負担、身体に受ける影響のことなどを知るようになって、これは食べるのをやめようとベジタリアンになりました。

 

最初はローフードを試していたけれども、あんまり体に合わないなあと思っていた時に、近くの公民館でマクロの料理教室を見つけて習い始めたのが最初です。それからマクロに興味を持って勉強していた時期もあったけれど、今はマクロは実践しているというほどではなく、時折参考にしている感覚かな。

 

―なるほど。お料理に梅は使いますか?

 

梅酢はお料理に結構使います。昨日は、白菜を塩麹でもんで、梅酢とゆずの皮を入れたらおいしかった。ほかには、炒め物、酢の物、ドレッシングなどに入れますね。あとは刻んだニラと醤油とゴマ油と梅酢を入れたニラソースがすっごいおいしいんですよ。餃子や冷奴によく合います。日持ちもするし、一時期ハマって何にでもかけてたら飽きちゃって、最近作ってないんだけど(笑)

 

そういえば、梅干しに梅酢が入ってると気持ち悪いって人もいますねえ。お料理に使うとすごくおいしいよとは話しているけど。

 

―塩分濃度はどのくらい?

 

塩分濃度は14~15パーセントですね。最初は20パーセントで作ったのだけど、しょっぱくて、減らしたくて、もともとしょっぱいのも苦手なんです。それで色々調べていたら、一度は減塩で作ってみても、結局はみんな20パーセントに戻る、というようなことを読んで、減塩にこだわる必要もないんだーって思って。10パーセントで作ってる友達もいるんだけど、冷蔵庫で入れないとだって言うし、できれば常温で保存したいなあって、それで、しょっぱすぎず、失敗しないギリギリの塩加減かなあと思ってて今は14~15パーセントに落ち着いてます。

 

―梅干し作りで困っていることはある?

 

追熟(注:梅が青い場合、黄色く熟すまで室内などに置いておくこと)が難しい。うまく行く年と行かない年がある。なかなかまんべんなく黄色くならないんです。風通しがいい日の当たらない場所がいいという話もよく聞くけれども、風通しが良過ぎると、水分が抜けて皮がシワシワになっちゃったりする。お盆などに広げたほうがいいかなとか、段ボールのままにがいいいかなとか、毎年、試行錯誤しながらやってます。でもカビとかの失敗はないですよ。

 

一度、梅干しが柔らかくならなくて、カリカリ梅になっちゃった時があって、この時はシソの色づきも悪かった。でも理由がわからないのよね。これはこれでおいしいかって食べてたら、時間がたったらだんだん柔らかくなってきた(笑)

 

皮が柔らかくて、ざるにひっついて、ひっくり返すのが大変なこともよくある。ざるをそのまま地面に置いているから、通気性の問題かも。

 

すごくおいしい梅干しが作れないんです(笑)難しいですね。初めて作った梅干しがすごくおいしかったんですよ。伊万里の梅を使ったのが良かったのか、熟し加減も塩加減もよくて、主人も『これおいしいねえ』って言って、すぐに食べきっちゃったんですけど、今もそれを超えられないですね。

 

あと、シソが余るんですよねえ。皆さんどうしてるのかしら?

 

【ミユキさんちの梅干し】

大きいのが2010年、赤いのが2011年、茶色くて小さめなのが2012年に作ったもの。古いものは塩がこなれててまろやかだし、新しいものはフレッシュな味わいが残っていて、それぞれにおいしい。どれも酸味が強くてエネルギッシュです。

 DSC_2013

 

 

【ミユキさんちの梅干しの作り方メモ】

 

分量)

梅1キロに対して塩140~150グラム、焼酎適量、シソ100グラム

 

梅)

できるだけ無農薬のものを選びます。去年は和歌山のエコファーマーのアートフルーツ農園というところで購入しました。有機栽培に移行している農家さんです。

 

塩)

「その年によって色々でブレンドしています。いい塩を使いたいんだけど、全部いい塩で揃えると高いし。1~2キロずつ袋で漬けるので、最初のほうはいい塩で、最後のほうは足りなくなってきたので、これ入れちゃえとか、そういう感じ。最終的にはひとつにまとめるから、ブレンドということで。厳密に言えばそう単純ではないんでしょうけど、私の中ではまあいっかという感じです(笑)」

 

2010年:最進の塩、伯方の塩をブレンド

2011年:玖美の塩、海の精をブレンド

2012年:美味海、なずなの塩、玖美の塩をブレンド

 

シソ)

梅の分量の1割が目安。主にネットで購入。「自然堂というネットショップにてもみしそを買っています。いい色も香りもいいんですよ。足りなかったらスーパーで買ってます」

 

作り方)

 

1)梅が黄色くなるまで室内で追熟。

 

2)梅のヘタを取ってから、水洗い。布巾を使って、ゴシゴシこすり洗いをしてから水気を拭く。アク抜きはしない。

 

3)ジップロックに梅を1~2キロずつ入れ、焼酎、塩の順で入れる。

 

4)1ヶ月ほどしたら、野田琺瑯の入れ物に2つに分けて入れて、もみしそを追加。

 

5)土用干し。ザルに広げて、まずは昼(8:30~15:00頃が目安)に3日連続で干す。夕方には梅酢に戻す。昼干しが終わったら、その後に夜だけ3日干す。夜寝る前に外に出して、朝に取り込みます。マンションのベランダの日当たりが悪いため、昼間に干す時は知人のビルの屋上で干させてもらっているんです。夜干しはマンションのベランダです。

土用干しが終わったら、梅と梅酢は分けて保存しています。

 

3日間ザルに出しっぱなしの時もあれば、梅酢に戻す時もあって、気分で変えてます。

 

【2013年3月取材】

追記)

上手に出来たから、と取材後に持ってきてくれた2013年の梅干し。

ふっくらとした果肉、すっきりとした酸味がやみつきになります。年々おいしくなっているみたい!

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