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梅干の作り方(本格派編)

塩分濃度はどうする?

梅干しを手作りする時に、悩むことのひとつに塩分濃度があります。

どのくらいのしょっぱさで作るのか、ということです。

 

昔ながらのしっかりしょっぱい梅干しであれば18%あたり、

しょっぱ過ぎるよりは、ちょっとマイルドがいいなら15%くらい、

塩気は控えつつ、でも梅干しのおいしさも楽しみたいなら12〜13%あたりかな。

 

塩分濃度を低くすると、確かにカビのリスクは高まるのだけれど、

その分、焼酎などを少々加えることで、カビのリスクはかなり回避できるよ。

 

減塩にしたいなら、3%くらいから作ることができます。

10%以下など、特に塩分濃度が低いものは、冷蔵庫も活用しつつ、

塩と梅、焼酎、シソの材料だけで好みの塩分濃度ができちゃうよ。

 

しょっぱい梅干しだと、

1年、2年、3年と時を重ねるごとに味が熟成していく楽しみがあるし、

しょっぱさ控えめだと、フレッシュなおいしさが味わえるし、

どちらも魅力的。

 

保存食、防災食という面で考えると、常温で何年も保存できる(しかもおいしくなる!)のは、

しょっぱい梅干しだけれど、

仕込んで半年くらいから、おいしく食べられるのは塩分やや控えめタイプかな〜。

 

私はしょっぱい梅干しは大好きだけれど、

塩分控えめで作ったものもいいよね。

 

梅干研究家トキコの作る3%の梅干しはね、しょっぱさはあまりないんだけれども、

梅のフレッシュな香りが残っていて、

そのまま食べてもいいし、

素麺などを食べる時に、めんつゆに入れると、梅の香りと酸味が加わって、本当に素敵な味わい!

あんまり梅干しっぽくないから、梅干しが苦手な方にもいいかも。

梅干しは食べたいけれど、いろんな理由で塩分は控えたい方にもいいかも。

 

自分好みの塩分濃度で自分好みの梅干しが作れちゃう、

そこが手作りの素敵なところだと思ってます。

他にも素敵なところはいっぱいありすぎるんだけれど!

 

 

 

土用干し(天日干し)について

梅を塩に漬けて、半年待てばできあがり! 

本当に簡単に作れちゃう梅干しですが、

土用干しをしたらもっとおいしくなります。

 

ちなみに…

土用干しをしていないなら「梅干し」とは呼ばないのでは??

という考え方も確かにあるのですが、

塩漬けしただけでも、ちゃーんと梅干しの味で、しかもとってもおいしいので、

梅干研究所では、干してなくても、堂々と「梅干し」と呼んでおります、えっへん。

 

そんな訳で、

無理してしなくてもいいんだけれど、

ちょっとでもしたらおいしくなるよ!というのが土用干しです。

 

【土用干しって何?】

梅を塩漬けした後に、お日様に当てて干すこと。

旨味がアップします。

 

【いつやるのか】

 

塩漬けして、10日後くらいからできます。

夏のうちに行えばOK。

最近は、暦にこだわったりすると晴れてない…なんてこともあるので、

お天気の日にやる、という感覚でいいですよ〜。

カラリと晴れた日、サンサンとお日様が照り付けている日、なんかがとってもおすすめです。

その年にできなかったら、翌年やったっていいよ。気楽にね。

 

【どうやったらいい?】

ご都合に合わせて、無理ない範囲でやってみましょ〜。

 

一番簡単なのは…

ジップロックで漬けたなら、ジップロックのまま、

ガラス瓶で漬けたなら、ガラス瓶のまま、お日様のよく当たる窓辺に置くこと。

1日とかでもいいけれども、1週間くらい置いといたら、もう充分だよ!

 

少し余裕があったら、

 

よく晴れた日に、ジップロックのジップを開けて、ホコリなどが入らないように、軽くヒモか輪ゴムなどで口をしばって、外に置いておく。

ガラス瓶で漬けたなら、ガラス瓶のフタを開けて、キッチンペーパーなどで覆い、

輪ゴムやヒモで止めて、外に置いておく。

梅ちゃんが呼吸できるような感じで空気は入れつつ、

でもホコリなどが入らないようにしたい、そんな感じです。

 

これも1日でもいいし、余裕があれば、昼間の間だけ1週間分のお日様を当てたらOK!

日が暮れたらおうちの中に入れて。

雨の日はお休みしてね。

 

もう少し余裕があれば、

ザルに広げて干したら、もう最高!

 

ザルがなければ、トレーなんかでもいいかも。

金属だと腐食しちゃったりするので、

竹などの天然素材、もしくはプラスチック素材などがいいです。

 

柔らかすぎて、梅の皮が破けそうという場合は、クッキングペーパーを敷いておくといいよ。

 

袋や瓶に入ってる梅酢もお日様に当ててあげてね。

 

半日でも、1日でも干したら、充分に旨味はアップするし、

3日間干したら、もうそれはそれは素晴らしい梅干しになるよ。

 

3日間干す場合は、雨が降ったらお休みで、計3日分のお日様を当てるよ。

 

梅ちゃんはお日様が大好き。気楽に土用干しをしてみてね。

 

夜通し干すとか、夜露に当てるとか、途中で梅酢に漬けてからまた干すとか、

歴史の中にはいろんな方法が残っております。

気が向いたらやってみて、気に入ったら、自分のやり方として取り入れる、そんな感じで

ゆるっとやるのがいいんじゃないかな、と考えております。

 

【土用干し後、梅酢に戻すのか、戻さないのか、問題】

土用干しが終わった後、梅酢に戻したほうがいいのか、戻さないほうがいいのか、というも、

気になる問題ですが、こちらも好みです。

梅干研究所所長は両方作ってますが、梅酢に戻すほうが好きかな〜。でも戻してないのも食べたくなる時があるし、うーん、どっちもおいしい(笑)

 

梅酢に戻すと…ふっくら柔らかな仕上がりになります。

赤ジソを入れている場合は、色づきもとってもよくなります。

一度梅を干してから戻すことで、よりよく色づきます。

梅が硬めの場合も、梅酢に戻すことで柔らかくなります。

 

梅酢に戻さないと…濃縮した旨味が楽しめる仕上がりになります。

歯応えがやや残る感じですが、ふんわりした柔らかさはちゃんと残ります。

 

どちらにしても、土用干し後は、少なくとも2〜3ヶ月は置いて、それから食べ始めましょう。

食べてみて、まだ塩辛いようなら、もう数ヶ月置いて、それからお試しを!

追熟について

梅ちゃんは摘んだ後も、熟していきます。

 

梅を漬ける、梅干しを作るといっても、

実はやり方は千差万別。

それはもういろんなやり方があるんですけど、

梅干研究所では、摘んだ後、買ってきた後、しばらく置いて、

黄色くなるまでしっかり熟してから、

漬けることをおすすめしています。

 

熟してから漬けると、皮は柔らか、果肉はふんわり、香りも高い、

とっても素晴らしい梅干しができ上がるからです。

 

だから、買ってきたら、ビニール袋からは出して、

段ボール、紙袋、ざるなどに広げ、室内常温にしばらく置きます。

まだ洗わないでね。

これを「追熟」と呼びます。

 

追熟に必要な日数はその時の梅の状態によるので、何日置くのがベスト!とは

はっきり言えません。

でも、緑がかった感じが黄色くなって、香りも強くなってきた頃合いが漬け時です。

 

こんな緑色だったものが…

 

 

輝くような黄色になります。

黄色くなると、香りもすごく強くなります。

甘い桃のような香りが家中に広がって、それはそれは至福の時です。

これがまさに漬けるベストなタイミングです。

 

ただし…

注意点その1)

梅酒・梅シロップ用と表示されている梅(5月下旬頃から出回る)はかなり青いうちに収穫しているので、置いておいても黄色くなりません。

6月上旬頃から出回る梅干し用と表示されたものをお求めください。

出回り時期は地域によっても、年によっても異なりますので、目安としておいてくださいませ。

 

注意点その2)

梅の種類によっては、摘んですぐ、買ってすぐ漬けることが推奨されている場合もあります。

その場合は、表示に従ってくださいませ。

 

注意点その3)

一度冷蔵保存したものを、室温で追熟させると、急激に熟すので、傷んでしまうことがよくあります。

冷蔵庫に入れておいたものを追熟する場合は、こまめに様子を見て、早めに漬けることをおすすめします。

また、宅配便等で送ってもらい、それを追熟させる場合は、クール便ではなく、常温便がおすすめです。

 

梅しごとの楽しみのひとつが追熟期間です。

待ってるのが楽しいって、すごくいいと思う。

容器の洗浄について

今回は、

梅干しや梅シロップなどを仕込む際の容器、どんな風に洗ったいいのかな、

ということについて書きます。

 

ジップロックの袋で漬ける場合は洗わなくて大丈夫だよ!

 

【ガラス瓶の場合】

1)食器用洗剤を使ってよく洗う。

2)しっかり乾かす。

3)熱湯などで消毒orホワイトリカー等で消毒する。

 

熱湯での消毒は…

・瓶によっては熱湯消毒ができない場合もあります。まずは表示をご確認ください。

大きめの鍋に、

容器と容器がかぶるくらいの量の水を入れ、

火にかけて沸騰するまで待ち、

約5分間煮立てたら、トングなどを使って取り出し、

清潔なふきんの上に逆さに置いて乾かす。

 

もしくは、

大きなボウルなどに道具を入れて、沸かしたての熱湯をかける。

大きい容器はこちらのほうがいいです。

 

です。ヤケドにはくれぐれもご注意!!

 

ホワイトリカー等での消毒は…

ホワイトリカーや食品用のアルコールなどを少量入れて、全体に行き渡らせる、

もしくはスプレーボトルに入れてふきかけて、

拭き取って、よく乾かす。

 

熱湯での消毒orホワイトリカー等での消毒、どちらかでOKです。

やりやすい方法で!

 

容器とサイズについて

梅干研究所では、ジップロックもしくはガラス瓶で漬け込むことを

おすすめしています。重石もいらなくて、楽ちん。失敗も少ないよ。

 

で、

気になるのが、どんなサイズのものを用意したらいいのか、という問題です。

 

ちなみに、

通常、スーパーで売っているのは1キロパックが多いですが、

たまに2-3キロ入ってるものもあるよ。

 

本題に入る前に、覚えておきたいポイントは

★梅って生の時は丸くてパンパンな感じだけれど、

漬け込んでしばらくするとへにょーっとなって、

かさが減るので、漬け込み後は、2キロくらいなら1袋にまとまったりもするよ。

★最初にジップロックで漬けて、後になって、瓶などに移す、というのもアリです。

★ジップロックはパッケージを開けたら、そのまますぐに使えるけれど、

ガラス瓶などの容器は洗浄→消毒の手順が必要です。

★ジップロックの場合は、万が一破れたりするといけないので、2枚重ねで使ってくださいませ。

 

ではサイズについていきまーす。

あくまで目安です。すごーく大きい粒だったりすると、入りきらない場合もあります。。

その場合は袋を増やしてくださいませ。

 

*梅干しの場合のサイズです。

*梅シロップは砂糖をたっぷり使うので、大きめがいい、ので、それも書いてます。

 

【ジップロックの場合】

梅1キロ→ジップロックLサイズ

梅500グラム→ジップロックMサイズ

 

*2キロ以上漬ける場合は、1袋1キロずつ入れて、何袋も作っちゃう、といいです。

場所もとらない!

*梅シロップ

梅1キロ→ジップロックLサイズ(でも、結構ぎちぎちになるので500gずつにしてもよいかも)

梅500グラム→ジップロックLサイズ

 

 

【ガラス瓶の場合】

1キロの梅→2リットルのガラス瓶

2キロの梅→4リットルのガラス瓶

 

*梅シロップの場合

梅1キロ→3リットルのガラス瓶

梅500グラム→2リットルのガラス瓶

 

微妙なサイズのガラス瓶の場合は、

とりあえず入るだけ入れて、残りはジップロックで漬け込んでおいて、

しばらくして、梅がへにょーーってなってきたら、

ジップロックの中のもガラス瓶に入れる、っていうのもアリだよ〜。

気楽にやってみてくださいな。

 

ガラス瓶は、密閉できるものであればOKです。

おうちにあるものを使ってくださいな。

もし新たに購入する場合は、

下記の2ブランドが使いやすくておすすめです。どちらも手に入りやすいです。

おすすめポイントも書いてみました。

 

セラーメイト

分解しやすくて洗いやすい

開け閉めがスムーズ

0.5リットル〜4リットルまで、小さいサイズが色々揃っているのが便利

インテリアになじみやすい

 

アデリア果実酒瓶

赤い蓋で昔からおなじみ。レトロな形のもある

名前は「果実酒瓶」だけれど、梅干し作りにもとっても便利

4リットル以上のサイズも色々揃っているので、たっぷり漬ける人におすすめ

(8リットルだと、4500グラム分くらいの梅干しが仕込める)

梅シロップや梅酒には特に使いやすい