今回は
「生梅と冷凍梅の違いについて」です。
5〜6月に出回る梅(生梅)とそれを冷凍したものの違い、と言いますか、
冷凍梅について回答いたします。
【冷凍梅のメリット】
・シーズン中に忙しくても、保存できる。
・いつでも好きな季節に梅の加工ができる。
・シロップ等を作る際、エキスの出が早い、よく出る。
【冷凍梅のデメリット】
・香りが若干落ちてしまう。
・質感が変わってしまう。
冷凍することで細胞膜が壊れるので、梅シロップや梅酒などを作る際、エキスの出がとっても早いのです。早くエキスが出る分、発酵してしまうことも少なく、作りやすいことは確かです。
ただ、
生梅の新鮮な香り、熟した梅の香りは冷凍することで若干減少してしまうのがちょっと残念で、できれば生梅での梅シロップもぜひ試してほしいなと個人的には思っております。笑
でも、冷凍するメリットはこれだけじゃないのです。
味だけではない成分の話ですが、
冷凍処理をすることで、クエン酸などの成分の抽出量が増えるという和歌山県の研究データを見たこともあります。
(2008年とちょっと古いデータではありますが、
和歌山県うめ研究所、和歌山県農産物加工研究所の「機能性成分を高めるための家庭用梅加工マニュアル」を参考にしています)
それによると、たっぷりの砂糖で成分を引き出すところを、冷凍することで少ない砂糖でも、成分を十分に引き出すことも可能なのです。
梅酒だったら、梅1kgに対して砂糖400gまで、
シロップだったら梅1kgに対して砂糖800gまで減らしても十分に成分を引き出せるようです。
(シロップの場合だったら、冷凍ではなくとも、種を抜いて、種と一緒に漬け込んでもほぼ同じように成分が引き出せるようです)
ジャム作りのように加熱して作るものに関しては、仕上がりの香りはさほど変わらないので、
冷凍しておいて、後でゆっくり作るというのもひとつだと思います。
質感は生梅とはちょっと違うけれども、気になるほどではないかなあと思っております。
ちなみに、冷凍梅は梅干しには不向きです。なんだかふわふわ柔らかい感じになるのですよ。
シーズン中に生梅と存分にたわむれるのも幸せなんですけれど、
冷凍梅ってやっぱり便利だなあとも思うので、
冷凍梅の活用についても、これから動画などなどで色々紹介していこうと思ってまーす♪♪