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梅の入手方法

今回は、梅の入手方法についての説明です。

 

お店やネットによっては、梅の予約受付が4〜5月に始まるところもあります。

価格は安いものだと1キロ500円前後、数千円の場合もあります。

地域やお店、品種、商品によって大きく異なります。

 

スーパーなどではほぼ確実に並びますので、時期を逃さないようにすれば入手できます。

 

大量に欲しい場合や作業できる日程に合わせたい場合、梅そのものにこだわりたい場合などは、

事前に調べて、予約しておくのが安心です。

 

小梅は一番最初に出回ります。

その後、梅酒・梅シロップ用、梅干し用の順で出回ります。

 

梅酒・梅シロップ用の梅で作るものと、

梅干し用の梅で作るもの、ちょっと異なります。

 

【小梅で作れるもの】

梅干し、醤油漬け、カリカリ梅(新鮮な青い小梅で作ります)など

 

【梅酒・梅シロップ用で作れるもの】

梅酒、梅シロップ、ジャム、梅味噌、甘い煮梅、ピクルス、梅肉エキス、カリカリ梅など。

 

【梅干し用で作れるもの】

梅干し、梅酒、梅シロップ、ジャム、梅びしおなど。

 

梅酒・梅シロップ用の梅(青梅)であれば、入手してすぐに作業できますが、

梅干し用の場合は2〜3日室内常温において追熟したほうがおいしく仕上がるものが多いです。

追熟についてはこちら

 

買ってすぐ作業できないのは時間を作れるかわからないし、ちょっとな…と思われるかもしれないのですが、

熟すまでに、素晴らしい香りになるので、ぜひ体験してほしいひとときです。

もう至福、うっとりするようないい香りなのです。

この香りが楽しみで梅しごとをする人も多いのです(ここは熱く語りたいところ!笑)

 

ただし、梅干し用でも追熟が不要の品種もありますので、

表示をご確認くださいませ。

 

初めて梅干しを漬ける場合は、1〜2kgくらいで作ってみるといいかも。

出来上がってみると、案外少なくて来年はもっと漬けよう!ってなる方が多いんだけれど、

いきなり多く漬けるのも大変に感じるかも、と思うので。

(作業自体は簡単なんだけど、

重かったりするだけで、面倒になったりすることもあるじゃない?笑)

 

別に無理してやる必要は全然ないんだけれども、

少量でも続けたほうがどんどん楽しみが広がってくる、ように思うのです。

 

【主な梅の入手方法】

・スーパーやデパート、八百屋さん

・地域の直売所

・生協等の食品宅配

・自然食品店

・ネット販売

・自宅の庭の梅の木を採取

・梅園の収穫体験等

 

 

それぞれについて、説明していきますね。

 

スーパーやデパート、八百屋さん

地域や年によりますが、お店に並ぶ時期は5月下旬〜6月下旬頃です。

関東の場合は、

小梅は5月下旬、

梅酒・梅シロップ用の青梅は5月下旬頃、

梅干し用の梅は6月中旬頃が目安です。

 

関東以北はこれよりもやや遅めの傾向です。

入荷時期はお店で聞いてみるといいでしょう。店によっては予約ができる場合もあります。

 

通常は、品種、産地などは選択できない、あまり種類がない場合もほとんどですが、

その地域で一般的な品種が並ぶことが多いです。

時期になると、果実酒や梅のコーナーができて、塩や容器などが一緒に並んでいることもあります。

 

地域の直売所

時期などはスーパーや八百屋さんとほぼ同じですが、店によっては、様々な農家さんが販売されているので、品種が色々あるかも。

選ぶ楽しみがあります。価格も比較的お手頃なものが多い傾向です。

 

生協等の食品宅配

予約販売もしくは時期限定販売が多いです。

塩や容器など、梅しごとグッズが一緒に購入できる場合も多いです。

届けてもらえるのが便利です。

生産者さんがわかる梅を扱っている場合が多いようです。

 

自然食品店

農薬不使用、有機栽培などの梅を手に入れたい時の強い味方。

店頭にはあまり多く並ばず、予約販売を受け付けている場合も多いので、入荷について、事前に確認しておくといいでしょう。

塩、砂糖、焼酎などもこだわりの商品が複数販売されていることも多いので、併せて買っておくといいかも。

スーパー等よりはやや割高かも。

 

ネット販売

農家さん直送など、様々な梅が販売されます。

事前に注文して、時期になると届く(到着日が選べない)パターンが多い傾向ですが、店によっては到着日指定ができる場合もあります。

産地や品種、有機栽培等にこだわりたい場合はネットで色々探してみるのがいいでしょう。

ポケットマルシェなど、農家さんが直売するサイトもあります。

全国の梅を入手できるので、東北方面など、流通時期が遅めの梅だって買えます。

一度作ったけれども、やっぱりもっと作りたい!というような場合も手に入るのはメリットです。

 

自宅の庭の梅の木を採取

庭に梅の木があるというような場合はぜひ収穫して、梅しごとを楽しんでみてください。収穫量があまりなくても、数粒など、少量からでも作ることができます。

梅の木にさらに愛着がわいてきます!

 

梅園の収穫体験等

観光梅園などでは、収穫体験を行っている場合もあります。

自分で収穫した梅の愛らしさは格別!

講座などを行っている場合も多いので、楽しく梅しごとができます。

 

小梅で作る梅干し

小梅の梅干しの作り方

↑小梅の梅干し。手前は赤ジソ入り、後方は白干し(赤ジソなし)です

 

小さくて可愛い小梅の梅干しは、ついつまみたくなるサイズです。

通常サイズの梅よりも早い時期に出回るので、ひと足早く梅しごとができるのも魅力かも!

作り方は通常サイズの梅と同じですが、塩分濃度だけご注意ください。

通常サイズの梅干しの作り方一覧はこちら

 

【おすすめの梅】

小梅

*地域によりますが、5月上旬〜下旬頃に出回ります。入荷を見逃さないようにお気をつけください。

*硬いものよりは、ちょっと熟したものがおすすめです。

*購入後はパッケージから出して、室内の段ボールや紙袋、ざるなどに広げ、2〜3日置いて黄色っぽくなってから漬けると美味しく仕上がります。

追熟のやり方はこちら

 

この青い梅が…

こんな感じになると漬け頃です!

【材料】

小梅 1kg

塩 120g

 

*容器はジップロックもしくは密閉できるガラス瓶などを使用します。

*ガラス瓶の場合は食器用洗剤で洗浄後、食品用アルコールや焼酎で拭いておきましょう。

 

1)梅を水洗いし、清潔なタオルなどで水気を拭き取る。

2)竹串などでヘタを取る。

3)容器に梅と塩を入れる。

 

4)ジップロックの場合は軽く空気を抜いてからジップを閉め、ガラス瓶の場合はフタを閉めてから、容器を軽く振っておく(塩を少しでも全体になじませるため)。

 

5)最初の1週間は毎日容器を軽く振る。だんだん梅酢(水分)が出てくるので、水分を全体になじませる感じで振るとよい。完全に塩が溶けたらもう振る必要はない。

塩が完全に溶けた状態。

 

6)赤い梅干しにしたい場合は、塩が完全に溶けてから、赤ジソを加える。

赤ジソのやり方はこちら

 

 

7)赤ジソを加えて1週間経ったら土用干しをしてOK。土用干しはしなくてもいいけれど、少しでもするとおいしさがアップする。1週間以降であれば、いつでもOK。土用干しのやり方はこちら

 

注)普通サイズの梅干しと異なり、ざるに広げる場合は1〜2日でOK。干し過ぎてカラカラにならないよう気をつけて。

 

8)土用干し後、2〜3ヶ月置いたら食べ頃。

 

カビの対処法

もしかして失敗しちゃった??

気になる時はこちらをご覧くださいませ。

 

Check! 万が一カビが生えてしまった場合

塩分量を少なくした場合など、まれにカビが生える場合があります。

最初は小さな薄い膜状のことが多いので、マメに見ていれば初期のうちに見つけることができれます。梅酢が澄んでいる状態ならカビの生えている部分だけそっと取り除きます。

カビが生えた部分に触れていた容器はホワイトリカーや焼酎(アルコール度数35%以上)でふき取っておきましょう。

 

Check! 梅酢がにごった場合

梅だけを取り出し、梅酢を煮沸します。梅酢が冷えたら、梅を元に戻して、後は通常通りの作業を行います。

あまりに濁っている場合は梅酢は捨てて、市販の梅酢等で漬けなおすとよいでしょう。

赤ジソを加える(7月頃の作業)

■7月 赤ジソを加える

赤ジソは入れなくてもOKだけれど、梅干しを赤くしたい方はぜひ入れてください。

赤ジソを入れていない梅干しは「白干し」と呼びます。

 

赤い梅干しは赤いだけじゃなくって、赤ジソの香りがするのがとってもいい感じ。

梅干研究所所長は赤い梅干しが大好きです(笑)

 

赤ジソは出回る時期が短い場合もあるので、スーパー等で買う場合は入荷時期を聞いておくといいかも。自然食品店等では予約できる場合もあります。

 

ここでは、梅酢を使って行う簡単なやり方を紹介しています。

昔ながらの塩でもむやり方をやりたい!というかたはこちら

 

どちらでもお好みの方法でよいのですが、

ここで紹介している梅酢を使うやり方のほうがシソの香りは残るし、むしろおいしいです♪

塩もみのほうが色は明るく鮮やか、梅酢のほうが色は深い濃い赤になる感じですが、

時間が経つと違いはほとんどわからないです。

 

 準備するもの

 

● 赤ジソ1束(梅1キロに対して1束程度が目安)

 

赤ジソが出回る時期(7月頃)になったら、赤ジソを手に入れて、作業を行います。

 

赤ジソを買ってしまったけれど、まだ梅から梅酢がしっかり出てないとか、これから梅を漬けるというような場合は、作業だけして、冷蔵保存しておくこともできます。ただ若干香りは落ちる可能性があります。

塩もみ済みの赤ジソも市販されていますので、時間のない方は利用されてもよいでしょう。ただし、自分で作業したものに比べると、香りなどがイマイチの可能性があります。

 

●ボウル、ざる

赤ジソを洗う時に使用します。

 

●タオル

洗濯済みの清潔なタオルをご用意ください。キッチンペーパーでもOK。

洗った赤ジソの水気を拭き取ります。

 

● ポリ袋

赤ジソをもむのに使います。

 

● 塩漬けしておいた梅の梅酢

梅から出た水分(梅酢)を使いますので、ご用意ください。

 

梅酢がまだちゃんと出ていないのに赤ジソを買っちゃった、という場合は、

市販の白梅酢をお使いください。自然食品店や直売所などで販売しています。

過去に梅を漬けているのであれば、その梅酢でも大丈夫ですよ。できれば白梅酢がいいです。

 

● スプーン、おたまなど。

梅酢を取り出すのに使います。おうちにあるもので。

 

あると便利なのは、

● サラダスピナー

サラダを作る時に水気を切る道具は、洗った赤ジソの水気を切るのに便利です。

もしお持ちの場合は使ってみてください。

なくても全く問題ないですよ〜。

 

手順

 

1)赤ジソの葉を枝からちぎる。

  写真のしそは面が緑色で裏が紫色のタイプ。

  赤ジソにも、色んな品種があるよ。両面が紫色のが多いかも。

 

茎の根元をちぎってね。絵がへなちょこですみません。

こんな感じにちぎります。

 

2)赤ジソの葉をボウルに入れて、水で洗ってザルに上げる。

 

(洗ってからちぎってもOKです)

 

サラダスピナーを使うなら、ここで。

 

3)タオルで水気を取る。少しくらい水分が残っていても大丈夫。

  びしょびしょ、ではマズイ。でもちょっぴり残ってるくらいはOK。

  タオルの上に赤ジソを広げて、水でテカテカしてる感じのところを

  タオルで押さえる感じでやるといいよ。

  完璧にカラカラに乾かす必要はないです。

 

4)赤ジソをポリ袋に入れて、梅酢を加える。おおよそ大さじ3〜4程度。

 

 

5)ポリ袋の上から手でよくもむ。袋いっぱいの赤ジソがしんなりと、おむすび1個分くらいになって、梅酢が濃いピンクに染まればOK。

 

わしわしともみます。

だんだんとしんなりしてきて…

小さくなります。梅酢もピンク色に染まるよ。

 

こんな感じになればOK。

イメージとしては梅干しの中に入っている赤ジソ、あんな見た目になればOKだよ〜。

6)ポリ袋の中身をすべて梅の入っている容器に移す。混ぜる必要はありません。梅の上に赤ジソを乗せておけばOKです。数日かけて、だんだん下のほうに赤ジソの色が広がっていきます。

ジップロックで作っている場合も、赤ジソを上にのっける感じでOKです。

 

これはまだ赤ジソを入れてないもの。

赤ジソを入れたらこんな感じ。

梅の実にもちょっとずつ色が染み込んでいくよ。

 

 

 

 

赤ジソを入れて、1週間〜10日後以降、土用干しを行うとさらにおいしくなります。

やり方はこちら

 

梅の塩漬けの方法(6月中旬の作業)

6月中旬に行う、梅の塩漬けのやり方です。

梅干し作りのメインイベントであり、

他のアレコレは省略してもちゃんと梅干しになるんだけど、

これをしないと梅干しができない、というとっても重要な工程です。

 

全体的な作業の流れを知りたい方はこちら

 

ともかく塩漬けすれば梅干しになる、のではあるけれど、

おいしくするためのコツを説明していきますね。

 

■ 6月中旬 梅の塩漬け

 

準備するもの

 

● 梅 1キロ

青いうちに漬けることもできますが、硬めで酸味の強い仕上がりになります。黄色く熟してから漬けたほうが柔らかくおいしいです。店頭で青いうちに購入した場合は、紙袋に入れて室内に置いて黄色くなるまで追熟させます。2~3日が目安。毎日様子を見てあげましょう。置き過ぎるとカビが生えたり、水分が抜けてカピカピになったりします。

 

*「梅干し用」と表示されたものを購入してください。

「梅シロップ・梅酒用」の梅はかなり青いうちに収穫するので、追熟しても黄色くなりません。

*「梅干し用」の梅で梅シロップや梅酒を作ることはできますよ。

 

このくらいの熟し加減がちょうどいいです。桃を思わせる、香りがしてきます。

左側が青梅、一番右がほぼ完熟状態。こんな感じでだんだんと黄色っぽく熟していきます。


 

大きく傷がついているもの、腐っているものは取り除きます。

傷の梅

 

● 塩 180g(塩分18%)

塩は、120g(12%)ぐらいまで減らすことができます。土用干し後、早めに食べたい場合は減塩のほうがいいです。長期保存、熟成したおいしさを楽しむなら180グラムがおすすめです(2〜3年経った時がとってもおいしい!)。

 

塩を減らすとカビが生える可能性が高くなるので、それを防ぐために焼酎(ホワイトリカー)少々加えることをおすすめしています。15%以下の場合は梅1kgあたり大さじ2くらいを加えておくと安心です。

 

塩は天日塩がおすすめです。

塩によっても味が変わってきます。色々試してみてください。

おすすめは「海の精」です。ちょっとお高いですが、とってもおいしくできあがり、特に熟成させた時のおいしさが格別です。

 

● 竹ぐし

梅のヘタを取るために使用。つまようじ等でもOK。

 

● ボウルやザル

梅を洗うときに使用します。梅仕事に使う道具はホウロウ、ガラス、プラスティック等をおすすめします。梅の酸は強いため、金物は避けたほうがいいです。が、洗う程度でサビたりすることは通常ありません。

 

● フキンかタオル

梅の水気を取るために使用します。洗濯済みの清潔なものをご用意ください。

キッチンペーパーでもOK。

 

● 漬ける容器

1〜2kgであればジップロックが便利です。1キロでジップロックLサイズがちょうどいいサイズです。

もしくは密閉できるガラス瓶もおすすめです。食器用洗剤でよく洗って乾かし、焼酎(ホワイトリカー)や食品用アルコールで拭いておきます。熱湯消毒がOKのものであれば熱湯消毒しておくといいでしょう。

 

 

「重し」はいらないよ!

梅干研究所では、重しはナシで作る方法をおすすめしています。

だって、そのほうが楽ちんで簡単、ちゃんとおいしくできるから。

 

手順

 

1)梅をざっと見て、痛みのあるもの、腐っているもの、カビが生えているものは取り除きます。

 

2)水洗いをします。生で食べる果物を洗うような感覚でOKです。

 

3)フキンやタオル等で水気を拭き取ります。タオルの上にゴロゴロ並べて拭くと楽です。

 

4)竹ぐしを使ってヘタを取ります。

 

5)容器に梅と塩を入れます。全体に塩がなじむように、容器を転がすなどします。ジップロックの場合は、2〜3回ひっくり返す感覚でOK。もまないように注意。

 

 

 DSC_0407

 

仕込み終了です。数時間で水分(梅酢です♪)がじんわり出てきて、しっとりとしてくるはずです。

最初の1週間は、容器を動かして梅酢と塩を全体になじませるようにしましょう。

梅酢はどんどん出てきて、1週間もすれば塩はほとんど溶けて梅全体にかぶるくらい出ていることと思います。

後は、赤ジソを入れるまでは、このままでOKです。

 

この後、梅干しを真っ赤にしたい方は赤ジソを入れます。やり方はこちら

赤ジソは入れなくてもOKです。

赤ジソを入れた後、赤ジソを入れない場合は仕込み1週間後以降に土用干しを行います。

土用干しもしなくてもOKだけれど、少しでもしたらおいしくなるので、

やってみるとよいです。1日だけ、とかでもいいし、ザルとかに広げなくてもジップロックやガラス瓶のまま、窓辺でお日様に当てるとかでもOKなのです。やり方はこちら